シャレコワ!〜洒落にならない怖い話〜

教会とお寺[洒落怖]

窓の外を眺めていた。

 

とあるイベント終えた
朝帰りに電車に乗った時だ。

 

田んぼとまばらな民家が広がっている霧深い田舎風景を
アクビしながらぼんやりと眺めていた。

 

すると唐突に教会とお寺が見えた。

 

お寺の真横に教会が仲良く建ってて
何だか不思議だった。

 

暇だったので、
こりゃスマホで一枚撮ってみようと思い
そのまま次の駅で降りて
教会とお寺を見に行く事に決めた。

 

無人駅で降りて
教会とお寺の方へと歩いて行く。

近くに人影はまったく無い。

朝霧に包まれた田んぼの畦道を
ずんずん歩いていく。

暫く歩くと建物が見えて来た。

あの教会とお寺だ。

駆け寄ってノックした後にドアを開けようとするが
教会もお寺も鍵が掛かっていた。

途方に暮れて周囲を見渡す。

すると遠くの田んぼで
田植えをしている青い影が見えた。

それもかなり大きい。

蜃気楼かも知れないと思い
スマホを向けると影は消えてしまった。

背後の教会のドアの向こうで
クスクスという声が聞こえた様な気がした。

また暫く田んぼを眺めていると
あの青い影が再び現れた。

今度はさっきよりも近い。

数十分程そいつの田植えを眺めていたが
何も起こらない。

影の巨人に別に嫌な感じはしなかった。

気が付くと巨人はまた消えている。

何だこれ?と思ったが
別に恐怖は無い。

そしてまた現れる。

消えるを繰り返す。

こういう事って本当にあるんだなぁと思うが
飽きたので駅に戻る事に決める。

教会とお寺におじぎをした後に
朝の空気を吸いながら畦道を歩く。

急に何かの気配を感じ背後を振り向く。

あの青い影の巨人が
その肩に教会とお寺を肩に背負って
じっと立っている。

また歩き出すと気配も追ってくる。

少しビビって駅まで走った。

振り返らずに
そのまま電車に飛び乗って家まで直行した。

あれから何年経つかな?

今俺の家の両隣には
人気の無い教会とお寺が聳え建っている。