シャレコワ!〜洒落にならない怖い話〜

すごいスピードで[洒落怖]

ある日、深夜に高速をいわゆるそういうのが

「見える」先輩に家まで送ってもらっていた。

 

周りに車は一台もなかった。

 

そして普通に先輩が運転していると先輩が

 

「ここってなんかでるみたいだね」

 

「え?でるって・・・幽霊ってやつですか?」

 

「なんかそういう話を聞いたんだけどね・・・
あ・・・こういう話はやめようか・・・。」

 

「ん・・・なんでですか?
俺が怖がるとか思ってるんですか?
俺、大人ですよ?」

 

「いやそういうことじゃないんだ・・・
まあとにかくやめようよ ね?」

 

「はあ・・・。」

 

そしてそのまま沈黙が続き俺はラジオをつけた。

 

ラジオからはよくわからない音楽が流れていた・・
俺も年かな・そんなことを考えていた時

先輩が額から汗をかきだした。

「あれ・・先輩どうしたんすか?
こんな寒いのに汗なんてかい・・」

「おいS!(俺の名前)絶対に・・・前だけみてろ!
絶対に横を見るなよ!つかまれ!」

そういって先輩はアクセルを思いっきりふんだ。

俺はわけもわからなかった。

一体どうしたんだろう・・・

しかし先輩の額の汗を見ると何も聞けなかった。

そのとき先輩が

「きたきたきたきたきたぁぁああああああ!!!」

と叫んだのだ。

俺はなにがおこっているのかわけもわからず
ただ先輩の教えどおり
前だけ見てなんなんだよおおおと心の中で叫んだ。

そして車は何分もその速度で走り
コンビニで止まった。

そして俺は先輩に

「一体なにがあったっていうんですか?
もうあんなスピードだしたら危ないっすよ」

と言った。

すると先輩はこんなことを話した。

「お前がラジオをつけただろ。
そしたらなんていうか嫌な感じがしたんだ・・・
それでバックミラーをみたんだよ。そしたら・・・
顔のでかいバアさんが笑いながら
すごいスピードでこっちへ飛んできてたんだよ・・。」

俺は先輩が元々そういうものが見える人だと知っていたので唖然とした。

そして先輩がこう言った。

「お前がもしラジオをつけてくれてなかったら・・・。」

ほんまになるやんか[洒落怖]

ひょんなことから彼と一緒に、

竹をつかった音楽ワークショップに明日参加することになった。

 

竹は各自持参のこと。

 

だそうなので、
夜に彼の家から私の家に向かう途中、
竹林に立ち寄っていただいていくことにした。

 

なんだかんだしていて、
もう真夜中をすぎてしまったが、
計画は実行しようと竹林に立ち寄った。

 

一応舗装してある細い抜け道のような車道を林に入ると、
とたんにあたりは車のライトがやけに強調されるほど真っ暗。

 

未舗装の小道を50m程入ったところで、
ここなら1、2本取ったって
誰の迷惑にもならないだろうと車を停めた。

 

懐中電灯という気の利いたものは持ってなかったので、
車のライトをつけたまま竹切りに専念した。

 

太い竹を狙っていたので結構時間がかかる。

やっとこさ切って適当な長さにし車に積み込み、さて出発...

「あ、バッテリーあがってるわ..」

あれーどないすんねん!

時間が時間だしこんなとこ車も通らない。

しかたなく私たちは歩いて車道まで出て公衆電話を探した。
(まだ携帯普及してない時代のことよ)

ラッキーにもわりと近くに電話を見つけ、
まだ比較的近所+こんな時間でも出てきてくれる友人に電話をし、
助けを求めた。

友人は快くすぐに来てくれるとのこと。

よかった。

さてその友人が到着し、彼と2人はリードをつないで
車を復活させる作業にかかった。

竹林の中、車のエンジン音がとても異質に響く。

私はすることもないので、車周辺をうろうろとしていた。

(あれ、なんか聞こえる..)

騒音の中、右手の竹林の中から
歌のようなものが聞こえて来る気がする。

そっちに目を凝らしてみたが、もちろん真っ暗。

人家のあかりもない。

ライトと対照的な暗さのせいで空間の深さが実感できず、
やたら濃い闇に思えた。

(空耳?ノイズのせい?..でもやっぱり聞こえる..)

私はその方向に近寄って耳を澄ましてみた。

車の音とは明らかに違う方向からのかすかな美しい歌声だった。

それは例えて言うなら古い「手まりうた」のようだった。

声はせいぜい12、3才の女の子。

きれいな声でちょっと悲しい調べ。

彼はまだ車に集中していたが、
もうする作業もない様子の友人に
歌声を一緒に確かめてもらおうかという気になり、

「ねぇ..」

と心持ち引き加減で話しかけたとたん、

「言うなーー!」

と友人は耳をふさいだ。

「えっ、やっぱり聞こえてたの!?」

「あかん、あかん、言うたらほんまになるやんか!!」

その瞬間私たち二人は異様に寒いモノを感じ、
思わず手を取り合って固まってしまった。

ちょうど車が復活し、

「なにしてんの?」

という顔の彼をせかし、
私たちは竹林を脱出した。

後日その友人と何が聞こえていたかを確認しあった。

それはぴったりと同じ感想だった。

あれは確かに聞こえていたと思う。

手まり歌のような、数え歌のような..

ナビ[洒落怖]

中古車屋で店長をやってるダチがいるんだけど、

そいつから中古のナビを安く買ったんだ。

 

ちゃんと名の知れたメーカーの後付けで
ダッシュボードに乗せるやつ。

 

何でも軽自動車を若い店員が買い取ったけど、
あとでダチが中を見たら、
外はきれいに直してるけど、
中はフレームまでいってる事故車で
ちょっと売り物になりそうもない。

 

どうせ数万で買ったもんだから
部品をとれるだけとって廃車にするってことで、
その車についてたナビをゆずってもらった。

 

当時の俺の車は
買って7年目になる国産のSUVで、
それまでナビは使ったことがなかったんで
けっこううれしかった。

最初のうちは特に機能面での不具合もなかった

ちょっと案内の音声が乱れることはあったけどな。

例えば

「三百メートル先、交差点を左です」

という女の人の声の最後のところが

「でにゅぅ」

という感じで低くなる。

でもそれくらい何でもないと思って気にしなかった。

それで、自分の家の住所を入力して
仕事であちこち出かけるたびに
帰宅モードで案内をさせてみた。

別にナビがなくとも帰れるんだけど、
まあ遊んでたんだな。

ところがしばらくして、
このナビは俺んちの南側にある大学の横の交差点を
絶対指示しないことに気がついた。

その交差点の道路はどっちも何十年前からあるんで
データが古くて認識できないとかじゃないと思う。

だけど、なぜかその交差点に入る前に
左折や右折を指示して遠回りになってしまうんだ。

で、2・3回はナビのいうとおりに走ったけど、
バカらしいから無視してその交差点を通ったんだ。

そうしたらその交差点に入る十メートルくらい前になって、
違う道を指示していたナビの液晶がブラックアウトした。

うんともすんとも言わなくなって、
故障かと思ってたら、
交差点を過ぎてまた十メートルくらいしたら
液晶が少しずつ赤黒く明るくなっていって、
元に戻ってまた道の指示を始めた。

何かその交差点を機械が嫌がってるような感じで
ちょっと不気味だった。

それから何度かその交差点を通ったんだけど、
ナビの症状は同じだった。

で、ある日会社から県外に出て
かなり遅くなって帰ってきた。

夜の2時過ぎで小雨が降ってたな。

疲れてて早く家に帰りたかったんで
その交差点の道を通ることにした。

車通りはあまりないところで
信号は黄色の点滅になってた。

ナビはいつもどおりブラックアウトしたけど、
徐行して走り抜けようとした。

すると人影なんかなかったはずなのに、
気づいたら目の前に自転車の女の人がいる。

とっさにハンドルを右に切ったんで
車は対向車線を越えて右の歩道に乗りあげた。

あまり慌てたんで、
自転車を轢いたかどうかも覚えてない。

で、車外に出て確認したんだけど何にもない。

ただ濡れて街灯に照らされた路面があるだけ。

キツネにつままれた感じで、
釈然としないまま車に乗り込んだら、
消えていたナビがぱっとついて、
液晶にモザイクがかかったように
崩れた女の人らしい顔が現れ、

ナビの音声で

「・・・私はここで死んだんでにゅぅぅぅぅぅぅ」

俺はエンジンだけ切って、
車をそこに置いたまま
家まで逃げて帰ったよ。

次の朝早くダチに連絡して、
その場所に来てもらって
ナビを外してもらった。

迷惑がると思ったけどそうでもなかった。

ダチは、

「このナビつけてた軽、
そうとう大きな事故起こしてたみたいだね。
廃車にするまで店の前に置いてたけど、
雨の日に車の横を通りかかったら、
かすかに血の臭いがするんだよ。
俺たちにはわかるんだ。
このナビもなんかあったんだろ。
いや、言わなくていいよ知りたくないから。」

と言った。

その後は特に何もないけど、
その交差点は通らないようにしてる。

廃病院探索[洒落怖]

もう十年前になるのかな?

 

その頃、自分は廃墟マニアで
仲間と一緒にいろいろな廃墟に潜入しては
写真を撮っていた

 

その年の六月、
友人のUが

 

『病院の廃墟に行こうぜ』

 

と言い出した

 

行き先を聞けば
『○心病院』という所で、
もともと○尾銅山などの人は知っているけど
行かないようなところが趣味の自分は

『なぜ病院の廃墟?』

と思ったけれど、
気にしないで着いていくことにした

○心病院に着いたのは夕方で、
そのため外壁が見えたのだが落書きだらけだった。

ここで初めて知ったのだが
○心病院は有名な心霊スポットだった

比較的国道に近いその病院に侵入するのは夜。

メンツは自分とUとRとI。

そして日が暮れ、
闇に乗じて落書きだらけの病院に
四人で忍び込んだ

病院の中に入ると
一階は割れたガラスとか注射器とかが沢山足もとに散らばっていて、
壁は落書きだらけだった

『おい、こっち来てみろよ』

と受付を物色していたIが呼んできた。

近寄ると汚れてぼろぼろになった診断書などの
モロ個人情報がそのままになっていた。

その後は二人一組で行動。

自分はUと一緒に動くことにした。

Uはまず手術室を見たいと言い出し自分も同意し、
手術室に向かった。

手術室は寒かった、
というのが自分の第一印象だった。

使わなくなった手術台はなんというか、
巨大なまな板を連想させた。

旧型の酸素吸入器であろう機械は
さばいた肉を腐らせないようにする機械に思えたし、
床に散らばっているメスや鉗子はここで手術を行っていた
ということを生々しく想像させた。

『あんまり怖くないね』

手術室を出るとUがこう言いだした。

自分もせっかく夜中に病院に忍び込んだのに
何もないのと、フラッシュがたけないので
あまり写真がとれないいことを少しがっかりしていた

Uと自分は集合するまでの残り一時間程度を
分娩室とか歯科とか病室を回って過ごした

そして集合時間になって一階に行ったのに
RとIがいない。

仕方なく五分そこで待ったのだが
誰かが下りてくる気配はない。

正直、嫌な予感がした。

『携帯に電話したら?』

Uがそう言ったので
Rに電話してみた。

五回ほどコールするとRが出た。

自分「お、遅せぇよ…。
は、早く来いよ…」

自分の声が震えているのが分かった

R『…やべぇ、まじでやべぇよ……』

Rの声も震えていた

自『何かあったのかよ?』

R『ほら、入ってすぐにさ、
受付で診断書見つけただろ…?
その中にな、十七歳の子のがあったんだよ……
集合する前に寄ったんだよ……』

明らか怯えている

自『おい、Iはそこいるのか?』

R『……そしたらさ、
そこに人がいたんだよ…』

無視して続ける

R『……でも人じゃなくて人の形をした影みたいだった……
俺たちに気づいたら一瞬で消えたんだ…。』

自『おい、Iはどうしたんだ?』

R『…わからない』

ようやくここで自分の質問に答える

自『わからないってどういうことだよ……?
つか、迎えに行くから場所教えろ』

R『Iは先にそっちに向かったと思う……。
場所は三階の隔離病室…』

ここで電話を切った。

そして自分はUとそこに向かうことにした

エレベーターが動いているはずもないので、
三階まで会談で登って、
いざ隔離病室に行こうとしたところでUが言った。

『足音が一つ多い気がする』

冗談だと思って一歩踏み出したら、
足音というより何かが引きずられてるような音がした。

Uは夜中に廃墟に侵入するので
カメラではなくビデオカメラを持っていた。

階段を上っている最中、
ずっと後ろに向けて撮っていたらしい。

目の前のナースセンターの前の待合室みたいな広い場所で確認すると、
何か影みたいなものがついてきてた

U『…これって、
さっきRが言っていたのじゃない…?』

自『ああ……、はやくR連れて帰ろうぜ…』

この時、
もう自分だけでも早く逃げ出したかった。

だけどそれをしなかったのはたぶん、
複数人で行動すれば助かる確率も上がる、
という理由だった

隔離病室の中に入っても
Rはすぐに見つからなかった。

天井から吊るされていたらしいビニールは床に落ち、
壁にはスプレーででかでかと落書き、
ベッドは倒れていて、
床には注射機とか機械がが倒れていたり、
その部屋で昔治療を受けていたであろう
十七歳の女の子の熊のぬいぐるみが落ちていた。

Rは倒れたベッドの向こう側で目を瞑り、
耳をふさぎながらしきりに

『ごめんね、ごめんね』

と誰かに謝っていた

自『おいR!大丈夫か!?早く逃げようぜ!』

R『……う、うん。でもIが…』

自『知るか!先に逃げたんだろ!?
おいてかれたいのか!?』

R『わ、わかった……』

Rを立たせて、
部屋を出ようとすると
ソレは病室の前にいた

R『……ごめん…許してよ…うううううう……』

U『ひいっ………』

影に向かって謝りだすR、
恐怖で間抜けな声が出すU

自分は声は出さなかった
(もしかしたら出していたかもしれないけど)が、
二人と一緒で恐怖で動けなかった

影が歩を進めてきた、
一瞬で我に返った

自分は持っていたカメラを
影に向けてフラッシュをたいた

一回、二回、三回、四回……

何回かフラッシュをたいたところで
UとRの手を取って、
覚悟を決め病室をとび出した

その後どうやって外に出たのかは覚えていない

UとRの話だと二人の手を掴んだ自分は
文字通り二人を引きずるようにして外に出たらしい。

結局Iは行方不明。

警察に連絡し、
捜索したところ地下の霊安室の階段前で
比較的新しい血だまりと
Iの携帯電話だけが見つかった。

結局、その血がIのものなのかはわからない。

Rになぜあんなことになったのか聞くと、
見つけた診断書の名前が病院の情報を探しているときに
医療ミスで亡くなった女の子の名前だったらしくて
興味本位で行ったら、あんなことになってしまった、らしい。

自分がカメラを向けて撮った影も
Uがビデオに映した影の正体もいまだ知れない

これが俺が十年前に体験した、心霊現象。

たぶん気づいてる人もいるけど
○心病院は厚木インター近くの廃病院――ではないから注意!

逃げないで[洒落怖]

姉から聞いた話。
 

その昔、姉は自分と彼氏、そして友達カップルと4人で
夜中ドライブに行ったそうだ。
 
その友達カップルの彼氏というのはちょっと霊感の強い人で、
よく霊を見ては涙を流すことがあったそうだ。
 
彼にとってはもう見慣れてるから、怖いとかそういうんじゃなくて、
なんか意味もなく涙が出てしまうらしい。
 
で、ドライブ中に、その彼がツーと涙を流し始めた。
みんな、彼の霊感のことは知っているので、
「ああ、また見たんだな・・・」とだけ思っていた。

だが、どうもいつもと様子が違う。
 
彼は急に、「車を止めてくれ」と言ってきたのだ。
 
「どうしたんだよ?」と聞いても、とにかく止めてくれの
一点張りで理由を説明しようとしない。
 
仕方ないので、路肩に車を寄せて停車し、彼に
「これでいいのか?」と聞いた。
 
すると彼は、「これから俺が何を言っても、おまえら
逃げないでくれるか?」と涙を流しながら言うのだ。

もちろん、友達同士の仲であるし、彼の様子を見ると、
「逃げる」なんて言えるわけもない。
 
「大丈夫だ」「逃げないよ」と口々に言った。
 
すると彼は、じゃあ言うけど・・・と前置きをして、

俺 今 足首つかまれてるんだ

と言った。
 
いっせいに彼の足元を見ると、車の床の下から白い手が出て、
彼の両足首をしっかりと握り締めている。
 
それを見た姉たちは、逃げないと言ったことも忘れ、
恐怖のあまり全員叫び声をあげながら車を降りて逃げ出した。

そして車からしばらく離れたところまで走り、
彼が降りてくるのを待ったが、いつまでたっても降りてくる様子がない。
 
彼のことも心配だったし、車なしで帰るわけにもいかない。
 
おそるおそる全員で車に戻ってみると、降りた姿も見ていないのに、
彼の姿はなくなっていたそうだ。
 
その事件からはや10数年経つが、いまだ行方不明中である。